
・今日は気が乗らない・・・
・ここぞという本番で力が発揮できない・・・
・偉い人の前だと緊張してしまう・・・
こんなこと、ありませんか?
普段は大丈夫なのに、
パフォーマンスにムラがあることは誰しもありますよね。
だけど、ここぞという大勝負の時に力が発揮できないと、
残念な結果につながることはイメージできると思います。
普段のあなたの実力を知っている人は良いですが、
そんなことばかりでもありませんよね。
私の新入社員時代の上司が、
普段はものすごい仕事ができ、本当に信頼できる方だったのですが、
ここぞという会議で、プレゼンが上手くいかず、
他の部署の偉い方に「あの人、何言っているかわかんないね」
と言われ、残念な気持ちになったことがあります。
「普段はすごい人なのに!」「いつもの仕事ぶりを見てほしい!」
と、部下ながらにくやしい思いをしたのを覚えています。
スポーツ選手でも、本番で結果が出せなければ、
継続的に活躍することも、お客さんに感動を与えることもできませんよね。
そんな、スポーツ選手のメンタルトレーニングでも使われている、
最高のパフォーマンスを発揮するためのスキルの一つが
「アンカリング」です。
NLP心理学の強力な状態コントロール手法で、
誰でもどんなシーンでも簡単に使うことができます。
アンカリングとは、
過去の素晴らしい(ハイパフォーマンスな)体験を
いつでも取り出せるようにする手法です。
アンカリングの由来は、
アンカー、つまり船のイカリのことで、
船と海底を「つなぐ」ものですね。
アンカリングとは、過去の体験と現在を特定の刺激でつなぐことです。
言葉にすると少し難しく感じるかもしれません。
でも、皆さんも耳にしたことがあるかもしれない、
良い例があります。
「パブロフの犬」をご存知ですか?
過去の実験で、犬に毎日餌をやる前にベルを鳴らしてから餌をあげると、
そのうちベルを鳴らすだけで犬がよだれを垂らすようになる、というものです。
ベルの音と、食べるという状態がつながった(アンカリングされた)ということです。
私たちの身近なところでも、そうしたことは自然に起こります。
・肉厚でしっかり浸かった梅干しを舌で転がすイメージをするとよだれが出る
・ある曲を聴くと、懐かしい、センチメンタルな気持ちになる
・「今でしょ」と聞けば、林先生の顔が思い浮かぶ
等々
特定の刺激(ベル、梅干しのイメージ、曲を聴く)があると、
過去の状態(食べる、酸っぱい→よだれ、懐かしい気持ち)が自動で発生します。
このことを応用します。
アンカリングを活用できるようになると、
自分の好きな状態(ハイパフォーマンス、落ち着いている、リラックスしている等)
を欲しい時に自在に取り出せるようになり、本番でも最高の状態で力を発揮できます。
やり方は簡単なので、是非その手法をここでお持ち帰りください。
たったの3ステップです。
1.欲しい状態を過去の体験から探す(※強い感情を伴うものが有効)
誰しも、上手くいった経験、素晴らしい状態を体験したことがあると思います。
・仕事で上司に褒められた
・高校野球でホームランを打った
・エキサイティングな音楽を聴いて興奮した
・温泉に入って気持ちよくなった ・・・等々
こうした過去の経験でここ一番で使いたいもの見つけて、1つ決めます。
2.特定の刺激(アンカー)を決めます
ここでいう刺激とは、パブロフの犬でいうと「ベルの音」のことです。
「強めに手首を押す」とか
「こめかみを強く押す」とか
「片方の手の親指と人差し指を合せて(お金のゼスチャー)強く押す」とか
普段あまりしない、ある程度強い体の刺激だと良いです。
このくらいの動作であれば、本番直前でも簡単に再現できるでしょう。
3.過去の状態と特定の刺激(アンカー)をつなぎます。
このことは数回、できれば数多く繰り返します。
まず、1で決めた過去の経験をありありと、
内的な五感を使ってイメージの中で再体験します。
そして、その状態がマックスになる直前
(ホームランを打った経験なら、ジャストミートして歓声があがる直前とか)
になったら、2で決めた動作をします。(手首を強く押す)とか。
この時、少し強めに刺激を与えると効果的です。
※欲しい状態がマックスになる直前にするのがポイントです。
ピークが過ぎてからだと、アンカリングの効果が薄れます。
自身が興奮する(リラックスする)ピークの直前で2の動作を行って下さい。
このことを、3~5回繰り返します。(この回数は多いほど良いです。)
そして、少しリラックスしてから、
2の動作(手首を強く押す)だけをしてみて、
自然に1の状態が再現されるか確認します。
少しでも、その状態が再現されれば成功です。
(脳裏に、ホームランのシーンが蘇るとか、少し気分が高揚するとか)
初めは、少ししかその状態は感じられないかもしれません。
大切なので何度も言いますが、再体験と刺激を繰り返すことが大事です。
初めは毎日習慣的に、何度も何度もやってみると良いかもしれません。
そうするうちに、2の動作をするだけで、
自然に最高の状態が再現されるようになります。
多くのスポーツ選手が「いつものルーチンを大切にする」ことは、
このアンカリングの原理を使っているとも言えます。
例えば、大リーガーのイチロー選手は、
バッターボックスでのバットを振りかぶる「いつもの」ポーズがありますよね。
2の刺激(アンカー)は、手を押すなどの体の感覚じゃなくても使えます。
頭の中で音楽を再現したり、会場を見渡す、といった刺激でも大丈夫なので、
慣れてきたら試してみて下さい。
いかがだったでしょうか?
読むだけだと、「そんなことできるかな?」と思うかもしれません。
でも、やってみるとその効果を体感できますよ。
ぜひ、遊び心をもって楽しんで実践してみてください。
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